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風鈴はもうつるさない

2006.4.10 アップ 約20分の曲です。

  作詞及び指揮:4年後輩の川西君 作曲:私
和歌山大学マンドリンクラブ第16回定期演奏会(昭和47年秋) 
指揮者だった川西君に依頼され私が作曲しました。
後輩たちの演奏です。


以下は「ひとりごと」からの抜粋です。

    20代に定期演奏会用の約20分のマンドリン合奏曲を作った。
    シナリオに合わせた小曲の寄せ集めだったけれど、今も好きでたまに聴きます。
    いろんな想い出が詰まっています。

    
後輩の指揮者君の作った詩に曲をつけました。
    
「風鈴はもうつるさない」というタイトルで、
    冬山で遭難した彼を風にたとえ、
    「風が吹かなければもう風鈴はなりません」という彼女の言葉で終わる物語です。
    残念ながら、苦労して作ったスコア(総譜)は行方不明となっています。
    いつかテーマだけでもギター曲で再現したいと思っています。
   
 (2006.4.10 マンドリン演奏そのものをアップしました。)



当時の曲目解説のコピーが手に入りました。

彼女がふるさとに戻ってくるところから物語りは始まります。
素朴なメロディーのテーマが流れ、
時折風を運ぶ風鈴の音がひびき、
その音が彼との想い出を回想させていきます。

軽やかな2拍子のメロディーは、さわやかな初夏の朝を思わせ、
彼との出会いが語られます。
二人の間に恋が芽生え、高まってゆく。
ゆったりとした3拍子、そして美しいメロディは
二人の高まってゆく過程を表わし、
共に過ごした高原での自然色の愛のハーモニーの頂点にまでもってゆきます。

しかし次第に不安定な旋律が流れ、
小さな陰りが二人を襲います。
彼女はそんな陰りを
「気のせいなんだ」と否定しようとしますが、
不安はだんだん大きくなり、
遂に彼は去ってしまうのです。

「きっと帰る」と信じた彼女のもとに帰ってきたのものは、
手垢で汚れた1冊の手帳でした。

以後手帳によって彼の葛藤が語られる。
夢を遂げること、それによって彼は自分の存在を確認でき、青春を実感しえたのです。
自己を曖昧にして愛を語ることは、彼にとって耐えられなかったのです。
真実の愛を育て上げるためにも、
また、確信に満ちた両腕で彼女の愛に応えるためにも、
それは果たさねばならないことだったのです。
死の危険が同居していても、死を恐れて青春を捨てることはもっと悲しいことでした。

曲は目ざす山を目前にした時の緊張感、
登り始めてからの風景など登山中の情景を追っていく。
そして吹雪。
寒さがきつく、死が膚を覆いはじめる。
死の直前に襲う陶酔感、
そんな気持ちが彼女を思い出させ、幻覚を引き起こす。
彼女がウェディングドレスを着た姿を見る。
しかし瞳に映った彼女が遠く消えていった時、
曲は彼の死を告げた。

再び最初のテーマが流れ、舞台は帰ったばかりのふるさとに戻る。
風鈴が鳴っている。
2年前、彼女が風の音を聞くためにつるした風鈴。
”あなたが風で私は風鈴”
”風が吹かなければもう鳴りません”
彼女の最後の言葉で曲は終わりを告げます。

 

日記からの抜粋です!

18年9月10日 うれしいメール
            
思いがけず大学同期の友人からメールが届いた。
            先月和歌山で再会後、谷町で一杯飲んだ友人のひとりS賀君である。
            今も仕事のかたわらマンドリン合奏団に所属して活躍している。
            マンドリンよりひとまわり大きな中音楽器マンドラの名手と、
            クラブ員すべてが認め、私も指揮者として頼りきっていた友である。

            私よりもずっと真面目で口数も少ない彼からわざわざメールが届いたのだ。
            久しぶりにホームページを覗いてくれて、
            私が作曲した「風鈴はもうつるさない」を聴いてくれたのだ。
            卒業後に後輩に頼まれて作曲したので、
            同期の友人たちは多分何も知らない筈だからよけいうれしかった。

            内容は「褒めすぎ」と一言で片付けるべきものだが、
            無口でべんちゃらを言わない友人だけにうれしい。
            実は私の編曲の恩師故中川先輩はその時の演奏会に来てくださった。
            感想ははっきり言われなかった。渋い顔に見えた。
            「メインテーマはよかったよ」と言われたことだけ覚えている。
            前置きが長くなった。
                先日は楽しかったです。
             久しぶりに昔の仲間と合奏できたし後輩のOBとも親しくなり
             有意義な1日でした。23
日が楽しみです。
             今日、久しぶりに貴君のホームページを拝見しました。
             以前よりもいっそう内容が充実しているのに驚きました。
             「風鈴はもうつるさない」を聴きました。
             詩、曲ともによく出来ていて感激しました。
             主題のメロディーが素晴らしいし、所々にアレンジされて
             メインメロディーが流れているところも良く工夫されていると
             感じました。
             鈴木静一の「人魚」を思い出させる出来ばえであると思います。
             今さらながら貴君の才能に敬服する次第です。
             又、時々聴かせてもらおうと思っています。
             簡単ですが感想をお伝えします。


            
私からの返信です。
             
褒めすぎメールありがとう!
                それでもすごくうれしいです!
                卒業後後輩に頼まれて実力も省みずに作った作品です。
                私にとってもいろんな思いを込めて作ったので、
                出来はともかくとして今もよく聴きます。
                聴いてもらえただけで感激です。

                中川調の和音、特にドラパートは力を入れて作りましたよ。
                転化和音など和声楽でかじった知識も使ってみました。
                今となればもう少し凝れたと思うのですが。
                あれは昭和47年の6月から8月の暑くつらい時期に、
                3ヶ月かけてギター1本で作ったんだなと今思い出しています。
                素朴なメロディをひねり出すのに苦労しました。
                特に私は演歌になりやすいので!
                 お詫び!
                   勝手にホームページに転載してしまいました。
                   S賀君としましたがご不満でしょうか?

18年9月15日  こんなメールももらいました。
             
前中略
             
”風鈴はもうつるさない”を、
             ヘッドホンをつけて目をつぶりながら聴いていたら、
             いつも自分で網戸を開けて餌をねだる、
             なじみのアライグマ”リズちゃん”が来ていて、
             私が気づかないので待ちかねたのか、
             勝手に部屋に入ってきて、
             食卓の上に置いてあったクッキーを持って部屋を出る所でした。
             娘家族が日本に帰った後の寂しさを癒してくれるアライグマ達です。
             (大家族で、みんな最初に来た”ママちゃん”からの子、孫達と思われます。
             最近は11匹が入れ替わり立ち代わり来てくれますが、
             毎晩きてくれるのはリズちゃんだけ)
             最近はスカンク、オポッサムも加わって毎晩にぎやかなことです。

             ”風鈴はもうつるさない”は 何度聴いてもいいですね。
             もっと公になんかできないかな?と思ったりしてますが、、、
             なんとかスコアも見つかるといいのにね。
             いいものが残っていいですね。

             
後略

            
さっそく返信!
             昔我家にネコがやってきたことがあるけど、
             カリフォルニアのサンタバーバラともなると出てくるものが違いますね!
             何度も聴いてくれてありがたいことです!

             いつもありがとう!
             中略
             アライグマのお話はサンタバーバラの生活が垣間見られるようでいいね。
             インターネットで検索したらなかなか景色のいいところだね。

             勝手に転載したよ。褒めてくれてるし、、、
             昔我家には屋根からネコが数匹来てくれたのを思い出したよ。
             僕以外で”風鈴はもうつるさない”を何度か聴いてくれる人は
             あまりいないと思ってたよ。ありがとう。
             この曲が定期演奏会のレコードに収録してもらえた時は
             本当にうれしかったけれど、ともに分かち合う人がいなかったよ。
             ホームページを通じて何人かに聴いてもらえるなんて不思議だね。

             以上、まずは御礼まで!!!